SKILL EXPLAINED

戦略的ディスカッションスキル

AIを「検索窓」ではなく「議論の相手」として使うための仕組み。あなた・Claude・3人の専門家、そして最後に別会社のAIが加わり、5つの視点で1つの結論まで詰め切る。
起動ワード:ディスカッション/壁打ち/相談したい
所要:対話ベース(数往復〜)
成果物:議論ログ+図解HTML
PARTICIPANTS
5者
あなた/Claude/専門家3体
+最後に別モデル1体
PHASES
6段階
把握→深掘り→専門家→統合
→最終レビュー→まとめ
LENSES
3+1
論理・本質・見落とし
+別系統モデルの外部視点
OUTPUT
2種類
議論ログ(Markdown)
図解サマリー(HTML)
01
WHAT IS IT

普通にAIへ相談するのと、何が違うのか

BEFORE ふつうにAIに聞く あなた 質問する AI 答える 終 起きること ・あなたの前提がそのまま通ってしまう ・「もっともらしい答え」で満足して終わる ・検討していない選択肢に気づけない AFTER このスキルを使う あなた 議題を出す Claude 意見も持つ進行役 論理構造 本質思考 見落とし 起きること ・前提そのものが疑われ、鍛えられる ・自分でも気づいていない死角が出てくる ・結論と、そこに至った過程が記録として残る

ポイントは「Claudeが答える人ではなく、意見を持った4人目の参加者になる」こと。あなたの発言を受け止めたうえで、必ず自分の仮説をぶつけてくる。

02
CAST

会議室に誰がいるのか

あなた 議題を持ち込む 最終的に決める人 対話 Claude 進行役 兼 4人目の参加者 必要なタイミングで呼び出す 1 論理構造 話の筋は通っているか 2 本質思考 そもそも前提は正しいか 3 見落とし検出 全員の死角はどこか Codex 別会社のAI(gpt-5.5) 最後に1回だけ登場し 全員をまとめて点検する ※ 点線=収束直前に1回のみ

論理構造・本質思考・見落とし検出はいずれもClaudeの分身。それぞれ「1つの観点だけを見る」よう役割を絞ってあるため、まとめて聞くより指摘が鋭くなる。Codexだけが別系統のAI。

03
FLOW

議論はどう進むのか(6フェーズ)

あなたとClaudeの対話 専門家の投入と統合 外部レビュー 収束と記録 PHASE 1 テーマ把握 「こういう構造の 問題ですね」と整理 PHASE 2 対話で深掘り Claudeが自分の 仮説を出す(1〜2往復) PHASE 3 専門家3体を投入 論理 → 本質 → 見落とし の順に PHASE 4 統合して返す Claudeが咀嚼し 1本にまとめる PHASE 4.5 Codex最終レビュー 別モデルが全員分を まとめて点検(1回) PHASE 5 まとめ判断 「そろそろまとめ ますか?」と提案 PHASE 6 成果物の出力 議論ログ+ 図解HTML 新しい論点が出たら Phase 2 に戻る(何周してもよい) Codexが新論点を出した場合も同じく戻る

一直線に進むのではなく、Phase 4 と Phase 2 の間をぐるぐる回るのが前提。「もう論点が出尽くした」と判断できたときだけ Phase 5 に進む。

04
LENSES

4つのレンズは、それぞれ何を見ているか

SECOND

本質思考

  • 今の議論は本来の目的からズレていないか
  • 「当たり前」に根拠はあるか
  • 周りが言っているから、で流されていないか
  • で、それが分かると何が決まるのか
例:「そもそも解くべきはその問題ではないのでは」
THIRD

見落とし検出

  • 議論に出てこない関係者はいないか
  • 短期だけ/長期だけを見ていないか
  • 市場・競合・法規制など外の変数は
  • 「やらない」という選択肢は検討したか
例:「実行した後の二次的な影響が抜けている」
LAST

Codex(別モデル)

  • 暫定結論は本当に妥当か
  • Claude陣営に共通する偏りはないか
  • このまま進めてよいか
  • 決める前に最後に確認すべき1問は何か
例:「4者とも同じ前提に乗っている。そこが弱点」

3体はそれぞれ200〜400字で簡潔に答え、指摘は最大3点まで。長文で埋めず、痛いところだけ突くよう設計されている。順番にも意味があり、見落とし検出には前の2体の発言がすべて渡される。

05
WHY CODEX

なぜ最後だけ「別会社のAI」を入れるのか

Claude陣営4者が 見えている範囲 同じ土台のAIなので クセも共有している Codexにしか 見えない領域 =身内では 気づけない穴 両者が 指摘した点 =確度が高い 3体に分けても「元が同じAI」である以上、同じ思い込みで揃って間違えることがある

入れるタイミングは1回だけ

議論が収束し、暫定的な結論が見えた段階(Phase 4.5)で呼ぶ。3体の発言が揃う前には呼ばない。外部ツール経由で動くため時間がかかり、乱発する設計にはなっていない。

渡す材料は「全部」

元のテーマ、ここまでの議論の要約、3体全員の発言、Claudeの統合見解と暫定結論。これらをすべて渡したうえで、忖度なしのレビューを求める。

結果の扱い

Codexの見解は要約しすぎず、別モデルの生の視点として提示される。新しい論点が出れば Phase 2 に戻って再検討し、支持されればそのまま結論へ。実行が失敗した場合は「レビューできなかった」と正直に報告する(それらしい内容をでっち上げない)。

06
RULES

効く使い方と、避けるべきこと

効く使い方

結論が出ていない段階で持ち込む

「答えを教えて」ではなく「一緒に考えて」で起動する。決め切ったあとに持ち込むと、追認で終わる。

反論されたら乗る

Claudeの仮説に反対するほど議論は深まる設計。あなたの反論が正しければClaude側が素直に認める前提になっている。

必要な専門家だけ呼んでもよい

「論理だけ怪しい」なら論理構造だけ。全員を毎回呼ぶ必要はなく、議論が進むたび何度呼び直してもよい。

避けるべきこと

浅い段階で専門家を呼ぶ

論点が見えていないうちに呼ぶと、当たり障りのない一般論しか返ってこない。1〜2往復してから呼ぶ。

指摘を全部受け入れる

的外れな指摘は「今回のケースでは当てはまらない」と落とす。判断するのはあなたとClaudeであって、専門家役ではない。

堂々巡りを放置する

同じ話が回り始めたら、Claude側から「論点を整理しましょう」と介入する設計。手詰まりを感じたらその場で言ってよい。

専門家を呼ぶ深さの目安

Phase 1 テーマ把握の直後呼ばない
Phase 2 を1〜2往復呼ぶ頃合い
暫定結論が見えたCodexを呼ぶ

Claudeが必ず守ること

まず受け止めてから別の視点を出す。専門家の発言を垂れ流さず、必ず咀嚼して統合する。「本質思考の観点から」と発言者を明示して紹介する。

起動のしかた

「ディスカッション」「壁打ち」「相談したい」「一緒に考えて」のいずれかを言えば起動する。明示しなくても、戦略的な相談だと判断されれば自動で立ち上がる。

07
OUTPUT

最後に何が手元に残るのか

DELIVERABLE 1 議論ログ(Markdown) 何をどう考えて決めたかを、あとから追える形で残す テーマと背景 / なぜ議論したか 論点ごとの経過(あなたの仮説・Claudeの見解・3体の指摘・結果) 検討した選択肢の比較表(メリット・リスク・難易度) 結論と推奨アクション 残課題・リスク DELIVERABLE 2 図解サマリー(HTML) 議論に参加していない人へ、見せて共有するための1枚 議論テーマと背景 意思決定プロセスの流れ図(どの論点を経て結論に至ったか) 検討した選択肢の評価マトリクス 最終結論と推奨アクション 残課題・リスク

「結論」だけでなく「どの論点を経てそこに至ったか」を残すのが要点。数か月後に判断を見直すとき、当時の前提が分かる状態にしておくための設計になっている。

08
WHEN TO USE

似た仕組みとの使い分け

相談したい ことがある 何が問題なのかが、まだ言葉にならない 課題設計ハーネス(自動で走らせる) どの方向に賭けるかを決めたい 戦略設計ハーネス(自動で走らせる) 方針は決まった。打ち手と順番を組みたい 戦術設計ハーネス(自動で走らせる) まず人と話しながら、自分の考えを 整理・検証したい 戦略的ディスカッション =このスキル(対話しながら進む)
比較項目戦略的ディスカッション各種ハーネス戦略分析
進み方あなたと対話しながら少しずつ依頼したら自動で最後まで走る複数の担当が並列で調べる
あなたの関与常に必要(決めるのはあなた)最初と最後だけテーマを渡すだけ
向いている状態考えが固まっていない、話しながら整理したいやることが明確で、品質を作り込みたいとにかく材料を集めたい
かかる時間対話の往復ぶん20〜40分(自動)調査量による

「一人で考えていても堂々巡りする」ときはこのスキル。「もう何をすべきか分かっていて、質を上げたい」ときはハーネス側が向いている。

はじめて使うときの4ステップ

1
START
言い方は雑でいい
「〜について壁打ちしたい」と切り出すだけで起動する。整理してから話す必要はない。
2
DIALOGUE
出てきた仮説に反応する
Claudeの意見に賛成/反対をはっきり返す。反対するほど議論の精度が上がる。
3
EXPERTS
迷ったら専門家を呼ぶ
「専門チームの意見も聞きたい」と言えば3体が入る。特定の1体だけを指名してもよい。
4
CLOSE
「まとめて」で締める
Codexの最終レビューを経て、議論ログと図解サマリーが出力される。